システム開発における技術者（ITエンジニア）の種類について

公開日：2020.12.01

システム開発における技術者（ITエンジニア）と一言でいっても、その中身は様々です。
システム開発における業務は多義に渡り、経験（ノウハウ）業種や業界・専門スキル・マネジメント能力（ディレクション能力）等によっておこなえる業務は異なります。

今回は技術者（ITエンジニア）の区分や業務領域においてまとめてみましたので、打合せや選定時の参考になれば幸いです。

システムエンジニアについて

 

No	大分類	小分類	主に何をするか	主に活躍するシーン	取扱える技術
1	システムエンジニア		システムの提案から設計・開発・テストまで一連の流れをする。	コーポレートサイト開発ではお客様だけでなく、従業員、株主、取引先など、企業に関わる全ての関係者に向けたサイト設計が必要。そのため誰にでも分かりやすい、また見やすい機能の開発要件ならびに適切な設計を担当する。	システムの設計図やドキュメントを書いてプログラマーへ指示する技術。開発言語はHTML、CSS、JavaScript、PHP、Java、Pythonなど
2	システムエンジニアからの発展系
3		プロジェクトマネージャー	システム構築の工数算出・進行や品質管理に加え予算や人員の選定を行い、プロジェクト全体を管理する。	不動産サイト開発などでは、商品がよりお客様の目に留まるような新規機能要件を定義する。プロジェクトマネージャーは進行管理、品質管理、交渉力、理解力、提案力などに加え範囲を決定、納期、コスト、課題管理など総合ポジションを担当する。	システムエンジニアの上位職で広範囲のマネジメントを行うスキル。開発言語はHTML、CSS、JavaScript、PHP、Java、Pythonなど
4		プロジェクトリーダー	開発の現場でエンジニアをリードする。	ECサイトにおける場合では、その売り上げを伸ばすための施策を理解し、必要な新機能を追加、機能改善、処理高速化、要件定義支援、設計などを担当する。	開発プロジェクトを「管理する」プロジェクトマネージャーとプログラマーと連携するリードエンジニアのスキル。開発言語はHTML、CSS、JavaScript、PHP、Java、Pythonなど
5		ブリッジSE (ブリッジエンジニア)	海外と国内の開発現場の橋渡し役を担うエンジニア。	プロモーションサイトなどにおいては、商品、サービス、イベントの集客度を上げることを目的としてその要件を理解する。また異なる文化を吸収して最終的に現地エンジニアに翻訳して理解させる。現地語に精通して指示命令を担当する。	橋渡しする両国のビジネス観や商習慣、言語能力を身に着けたエンジニアが現地と国内との架け橋になることで問題を解決するスキル。また現地後の他、英語、日本語は必須。

開発エンジニアについて

 

No	大分類	小分類	主に何をするか	主に活躍するシーン	取扱える技術
6	開発エンジニア
7		プログラマー	仕様書をもとに機能をプログラミングしていくエンジニア。	CMSサイトや結婚相談サイトなどのように、コンシューマー向けの機能仕様を理解し、機能追加や機能改善などのプログラム部分を担当する。	設計書からプログラミングを組みあげるスキル。開発言語はHTML、CSS、JavaScript、PHP、Java、Pythonなど
8		フロントエンドエンジニア	ユーザー視点でWebサイトにユーザーが触れる部分を開発する。	マッチングサイトや比較サイトなどのようにユーザビリティ―や画面の導線設計を担当。ペルソナを理解して、世代や性別などにより配色やモバイルデバイス仕様を担当する。	デザインセンスが必要で加えてダイナミックに動くUIを作るスキル。開発言語はHTML、CSS、JavaScript、PHPなど
9		組み込みエンジニア (エンベデッドエンジニア)	家電製品や産業用機器（車や家電製品など）に直接プログラムを組み込む。	カーナビゲーションなど独立した機械の中に組み込まれたコンピューター制御システム。システムがエラーを起こして停止しないよう制御を担当する。	ハード製品に直接プログラムを組み込むため、該当する業種のハードや使われ方に関するスキル。開発言語はC言語、C++、javaなど

インフラエンジニアについて

 

No	大分類	小分類	主に何をするか	主に活躍するシーン	取扱える技術
10	インフラエンジニア
11		ネットワークエンジニア	ファイアーウォール機器やルーター機器、スイッチ機器など上位のレイヤー製品を取り扱うエンジニア。	ブランディングサイトやECサイトなどにおける、急激なアクセスやインターネット攻撃に耐えられるネットワークシステム構築を担当する。	必須スキルはサービスが安定して稼働できるようアクセスを想定した分散技術、セキュリティ技術など。
12		サーバーエンジニア	OSやミドルウェアをインストールして設定を行い、アプリケーションの稼働を行う。	オークションサイト、特定テーマの比較サイトにおいて、OSセットアップ、ミドルウェア、サーバ証明書をインストール及び、設定、正常値の確認などを担当する。必要があればサーバ増設を検討する。	必須スキルはLinuxやWindows Server、UnixといったサーバーOS、コンピューターアーキテクトの知識。加えてセキュリティの知識が必要。
13		データベースエンジニア	システム根幹のデータベースに特化した知識を有する。	証券システムや、金融システムだけでなくあらゆるシステムのデータの倉庫。必要なときにデータを瞬時に取り出せるようシステムを構築・運用したりすることがデータベースエンジニアの業務担当。	必須スキルは各ベンダー製品に精通して設計構築を行えること。例えばデータベースOracleやMysql、Microsoft SQL ServerなどのSQL言語の習得は必要。
14		セキュリティエンジニア	情報セキュリティの知識全般や、攻撃された際の対処に精通したエンジニア。	金融系システムや、チケット予約サイトなどにおいて、情報漏洩対策やセキュリティ対策、情報セキュリティ規定の策定、個人情報保護方針策定、啓蒙活動を担当する。	インターネットに関する最新の情報を仕入れてサイバー攻撃の被害にあうことを未然に防ぐス技術。セキュリティ面でアプリケーションを守るため、リードしてセキュリティ要件を啓蒙するスキルが必要。
15		クラウドエンジニア	パブリックなクラウドサービスを扱うエンジニア。※アマゾン（AWS)、グーグル（GCP）、マイクロソフト（Azure）が有名	ECサイトや、ブログサイトだけでなくあらゆるウェブサイトにおいてクラウド上にITインフラを構築するための技術を担当。	必須スキルは自社やデータセンターに物理的にサーバ類を構築するのではなく、パブリックなITクラウドを利用してサーバを構築する技術と最新知見。
16		バックエンドエンジニア	データベースやサーバーの知識の他に、アプリケーション開発を行えるエンジニア。	航空券や宿泊予約サイトのように裏側に予約情報が蓄積されていて、ユーザーに見えない部分であり、サーバー側で行われる処理のプログラミングやDBからのデータの取得などを担当する。	必須スキルはバックエンドのアプリケーションを開発する。開発言語はHTML、CSS、JavaScript、PHP、Java、Pythonなど

その他のエンジニアについて

 

No	大分類	小分類	主に何をするか	主に活躍するシーン	取扱える技術
17	その他のエンジニア
18		セールスエンジニア	エンジニア技術を有した上で営業が出来る。	技術的な側面から営業をサポートするスキル。「エンジニア」という名前だが実際の業務は営業寄りを担当する。	営業としてお客様にわかりやすく説明しながら売り込んでいくスキル。クライアントの業界を理解しクライアントにとっても自社にとっても良い提案ができるコミュニケーション力が必要。
19		Webデザイナー	サイトのデザインが出来る。	バナー画像や、画像制作、イラスト制作においてデザインソフトを使いこなすこなしデザイン全般を担当する。	お客様のイメージをデザインに起こし、配色や配置をアドバイスしてデザインを仕上げる技術。Photoshop、Illustratorの他、HTML、CSSの知識が必要。
20		マークアップエンジニア	フロントエンドエンジニアと連携しHTML、CSSに加え、検索エンジンのSEO対策が行える。	ランディングページ（LP）のように、一つの商品やサービスを売るためのページを制作を担当。商品の問い合わせや注文を促すためにSEOの知識が必要でHTML構成を深く知っていて検索結果の順位表示に寄与する施策を担当する。	HTMLとCSSといったマークアップ言語と呼ばれる言語を扱い、webサイトの文章や画像の配置を行い検索エンジンに対するSEO知識のスキルが必要。
21		テストエンジニア	出来上がった品質を管理するため様々なテスト行程を行う人	ゲーム開発や、製品開発における品質テストを行い、社内ではなく第三者検証する会社が担当します。	必須スキルは、納品前の製品をユーザー操作の観点から操作行程を洗い出す。工程は全通りの組み合わせを考え、必ず漏れがなく製品の品質をプロット出来る技術。
22		フィールドエンジニア (サービスエンジニア)	自社製品を使用している（業務システムを購入した）お客様に対して技術的サポートを行う。	家電メーカーや基幹ソフトウェアなど自社の製品を購入したお客様の現場に駆けつけて問題の解決を担当する。	自社製品に対する深い理解を持ち、お客様と直接接して良好な関係を維持するコミュニケーション力。
23	社内SE		社内のIT環境やシステムの改善を行い、技術的な課題に幅広く対応する。	基幹システムや、社内システムにおいて、IT戦略やIT企画の立案する。必要なニーズを分析後、要求をまとめプロジェクト化を提案する。	幅広く知識を持っていて社内の多くの部署とコミュニケーションを取り、自社に何が必要とされているかを把握する技術。上層部に提案して説得するスキルが必須。
24	制御・組み込みエンジニア		家電製品など機器全般のシステム知識を有する。	電子レンジ、ロボット掃除機、自動車、カーナビゲーションなどにおける機器などの制御を担当する。	インターネットに繋がる機器でネットワーク、セキュリティ、ハードウェア、アプリケーション開発などの知識が求めら、各種規格の準拠したスキルが必要。
25	IoTエンジニア		インターネットにつながる機器全般の知識を有する。	インターネットを利用した監視システムや監視カメラなどでは、画像認識制御を担当する。	端末、デバイスなどのハードウェア、ソフトウェアと各分野の知識を組み合わせるスキルが必要。